子どもの癒合歯(ゆごうし)のリスクと対処法
お子さんに乳歯の前歯が生えてきた際に前歯の形がおかしければ癒合歯(ゆごうし)である可能性があります。やっと生えてきた前歯の形がおかしいと不安になってしまいますが、癒合歯は乳歯ではよく起きることです。過度に心配する必要はありませんが、癒合歯のリスクについて理解していないと永久歯への生え替わりの際に困ってしまうこともありますので今回の記事を参考に癒合歯について理解しましょう。
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癒合歯(ゆごうし)とは
癒合歯とは隣同士の歯がくっついて1本の歯のようになってしまっているものです。乳歯の前歯によく見られ、4%ほどの確率で癒合歯ができます。癒合歯の原因はよくわかっていませんが、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間に乳歯の卵同士がくっついてしまい、1本の歯になってしまうという説が一般的です。
虫歯になりやすい
くっついている歯の境目が溝になり、溝の部分から虫歯になってしまうことが多いです。虫歯が進行して神経まで到達してしまうと歯の根を治療しなければいけませんが、癒合歯は根が1つにくっついているため治療が難しく注意が必要です。
生え替わる永久歯が存在しない場合が多い
癒合歯の一番のリスクは生え替わる永久歯が存在しない場合が多いことです。癒合歯の子どもの45%には生え替わる永久歯が存在しないというデータもあります。永久歯ができない原因は本来2本あるはずの歯の根が癒合歯になることで1本になってしまうことです。本来2本生えてくる永久歯が1本しか生えてこないため歯並びやかみ合わせに影響してしまいます。
乳歯の生え変わりが正常に起きない
通常、乳歯から永久歯への生え替わりの際には乳歯の根が吸収されることでグラグラして抜けるのですが、癒合歯の根はうまく吸収されないことが多く、自然に永久歯に生え変わらない場合があります。また、次に生えてくる永久歯が正常なものよりも小さい可能性も高いです。
シーラントを行う
癒合歯の虫歯対策にはシーラントが効果的です。シーラントは歯の溝にプラスチックを埋めることで虫歯を予防する方法です。癒合歯のくっついている部分にシーラントを行えば虫歯のリスクを下げることができます。
永久歯の数をレントゲンで調べる
癒合歯の子どもの45%は永久歯の数が足りませんのでレントゲンを撮って永久歯の数を確認します。癒合歯自体は虫歯予防さえできていれば問題ありませんので、永久歯への生え変わりが起きる6歳頃にレントゲンを撮ってもいいでしょう。レントゲンで永久歯が足りないことがわかった場合、一旦は経過観察となりますが、歯並びや噛み合わせにリスクがある場合は歯科矯正を行うことになります。また、レントゲンでは癒合歯の根がうまく吸収されているかどうかもわかりますので生え替わりがうまく行かなそうな場合は癒合歯を抜歯します。
癒合歯の発生率は4%と決して他人事ではありません。お子さんの将来のお口の健康のために永久歯への生え替わりの前には歯医者に行って判断を仰ぐようにしてくださいね。

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